Hello world2!
五月のしまいの日曜でした。わたくしは賑にぎやかな市の教会の鐘の音で眼をさましました。もう日はよほど登って、まわりはみんなきらきらしていました。時計を見るとちょうど六時でした。わたくしはすぐチョッキだけ着て山羊を見に行きました。すると小屋のなかはしんとして藁わらが凹んでいるだけで、あのみじかい角も白い髯も見えませんでした。「あんまりいい天気なもんだから大将ひとりででかけたな。」 わたくしは半分わらうように半分つぶやくようにしながら、向うの信号所からいつも放して遊ばせる輪道の...
yamada